ヒビノスペシャルにて日比野氏のアシスタントを長年務めた米津いつかさんへのインタビュー
名前:米津いつか
現職:フリーランス(アートマネジメント、コーディネート、編集)
2001年から2006年まで日比野氏のアシスタントを務め、日比野氏の素顔をよく知る。
日比野氏と地域の人との印象的なエピソードを教えてください
→幼い頃から日比野さんのプロジェクトにずっと関わってくれている子が水戸にいるんですが、今年のはじめに水戸芸術館に展覧会を観に行ったとき、「この作品はこうやって触ってもいいんだよ」などと案内してくれたんです。小さい頃から触れているとこうも自然に美術を語れるのかと驚きでした。
日比野氏を一言で表すとしたら?
→人。人間。それ以外ない。ちょっとした日々のやり取りが人間的というか。ぬくもりみたいな「温度」を常に持っている人だと感じます。
日比野氏の人柄や性格は?
→以前から「よくこんなにも人の気持ちがわかるな」と思うことがたびたびありました。A型乙女座で一般にいう几帳面なところや、本人も言っていることとして、意外に人見知りな面もありますね。
日比野氏が仕事やアートに取り組む姿勢とは?
→誰しもが持っている日常的な視点や気持ちを大事にする人です。きっと人生観そのものが仕事になっていて、スイッチを入れてアートに取り組むのではなく、常に日比野さんの中に存在しているのだと思います。
マンションが取り壊されてしまうことについての気持ちは?
→記憶を呼ぶ匂い・・・その匂いがもう二度と嗅げなくなっちゃうさびしさはありますね。
初めて足を踏み入れたときの感動とともに嗅いだ匂いや、私の汗と涙と、染み付いたマイルドセブンやいろいろなものが入り混じった匂い。でも、この展覧会のような試みをすることで気持ちの整理がつきますね。
アートプロジェクトを継続させるために、アシスタントとして必要なことは?
→とにかく人間関係を把握して、自分が現場に行って、顔を見せて、存在を知ってもらった上でやりとりすることだと思います。